諦めず、最後の1匹まで。
どんよりとした気持ちと共に、
なんとも言い難い疲労感が身体を支配していました。
飼い主である相談者と、私たちの間の温度差を感じていました。
これまでにも何十件と関わってきた
多頭飼育崩壊案件。
一度で解決できる案件も有れば
継続し続けている案件もあります。
3年ほど前から関わっている札幌市内北区のこの案件。
猫達が臆病すぎて順化が難しく引き出しに時間がかかっていました。
殆どの猫の生殖制限を終えていましたが、
捕獲器を警戒して全く入らなくなっていた猫が数匹いました。
その後は飼い主が自分で捕獲するというのを待っているうちに、時間だけが過ぎていたのです。
猫餌や新聞紙は定期的に運んでいましたが、
つい最近SOS が入りました。
高齢になってきているお母さんの話も要領を得ず、猫達はただならぬ気配に必死に逃げ惑います。
最初にボランティアさんを集めて掃除をした部屋はどうにか維持されていましたが、前回
できなかった息子さんの部屋が悲惨でした。
スリッパじゃダメだろ????
糞尿が堆積しています。
こんな時はたも網が一番です。
現場を数多く経験しているので
捕獲に自信はあるのですが、隠れる場所が多いと
捕獲はなかなか困難になります。
猫達との知恵比べ。
飛び跳ねて逃げ惑う猫達
手術が済んでない猫を探すのが本当に大変でした。
確認の為に耳を見ようとした途端
『ガブリッ』
久々に噛まれてしまい出血????
指はジンジンしてます今はそれどころではありません。
お母さんが捕獲してくれていた猫を含め
オス 2匹
メス 4匹
子猫 4匹
を保護することができました。
お母さんも体調がすぐれない様で
居間に布団が敷きっぱなしでした。
息子さんがもっと酷い状態で、病気が悪化し寝たきりの様になっていましたが
その寝床の周りをバタバタと捕獲するしかありませんでした。
昨今、
物で溢れゴミ捨て場には立派な家具が捨てられてる一方で、この猫屋敷の様に不衛生な生活の場がある現実…
今回の案件は生活保護家庭なので、行政も関わって頂けることになり今後の猫の手術は管理センターでも協力してくれることになりました。
この中で母猫が何度も出産していたといいます。
この現場には犬もいました。
今はボランティアさんの家で大切にされ幸せに暮らしています。
猫のことはもちろんですが、この家族の生活環境もどうにか改善してあげたいと
切に思いました。
ボイラーも壊れお風呂もままならない様でした。
T係長にも相談してどうにか関係各所に繋がるように、お声がけしたところ
すでに同じ様に考えてくださっていました。
まだ残っている猫が数匹いますので、今度こそ取りこぼさずに解決できるように行動します。
来年度
もう一度大掃除とゴミ処理をして
人間も猫も、もう少し安全に衛生的な環境で過ごせる様にお手伝いしたいと思います。
今、この案件の猫を全てレスキューするのは不可能ですから今後も時間をかけていくしかありません。
この様な案件が数多くあり、頭を悩ませる日々なのです。
この日は管理センターに2匹の手術をお願いすることができ、残りの2匹の猫を江別の
《Mobile Vet Office》でお願いできることになったので
そのままお届けに。
美猫揃いです。
しかし、
耳ダニはごっそりいましたが。。。
この2匹は手術待ち
どの猫を保護するか、自宅に戻すか葛藤するところです。


















