ナズナの奇跡⁉️
11月に入り、一時預かりボランティアさんの元で過ごしていた「ナズナ」
ある日預かりさんのSさんから、慌てた様子で連絡が入りました。
突然後ろ脚がマヒしてしてしまったとのこと。
私達はそれほど重篤なこととは思わず、とりあえずこちらに戻して欲しいと伝えました。
5,000匹を超える猫を保護してきて、この様なことは幾度となくあったからです。
でもSさんはいてもたってもいられなかった様ですぐに動物病院に走ってくださったのです。
受診したところ『心筋症』であることが判明します。
血栓が後脚に飛び、もう脚は動くことはなく
そしてこのままでは死に至るとのこと、、、
その場で応急処置をしてもらいました。
Sさんの機転でナズナは命を取り留めることができたのです。
しかもこちらの病院の医療費の負担までしてくださったのです。
自分の過信を今回ばかりは反省しました。
今後どの様な対応をして行くか、ナズナを戻してもらい再度かかりつけ医と相談しました。
後脚が壊死していくので、タイミングを見て断脚するか相談することになりました。
残念ながらこの病気で長生きすることは難しい様でした。
私達は悩みました。
保護しても保護しても、譲渡しても譲渡しても、一向に減ることがない保護猫達。
ツキネコの相談電話は鳴り止むことはありません。
ナズナにだけに集中することはとても難しいことで、看取りにするのか難しい選択でした。
ところがどうでしょう。
ナズナはケアルームで一生懸命にご飯を食べていました。
ひたすらに ひたすらに
ご飯を食べていたのです。
『食べることは生きること』
動物達はその行動で生き様を教えてくれます。
その間にも後ろ脚の壊死はあっという間に進行して、骨が見えるほどになっていったのです。
不思議なことに痛みはない様でした。
先日初めて眼球摘出をしてもらった【ねこの病院】の西谷先生に画像などを送って
相談したところ、これは緊急にオペをした方が良いでしょうとのことで
お休みにも関わらずこの大きな手術を引き受けてくださいました。
事前検査でかなり難しい手術で輸血が必要なことがわかり、
月虹山荘に走り元気いっぱいの黒猫軍団から3匹を捕獲して病院へ。
*この時ばかりはたくさんの保護猫がいることがとても助かります。
*各病院への供血もいつでもご相談ください。
3匹の供血猫の引き取りの際に手術中の様子を
特別に見学させて頂きました。
その緊張感漲るオペ室の空気感にさすがに圧倒されてしまい、なんとも言い難い気持ちになりました。
2日ほど入院させてもらい、退院してきたナズナ
尿道と肛門はしっかり機能しているので安心しました。
すぐにご飯をぺろり。
滲出液を心配しましたがバンテージ交換したところ、全く問題なく
大手術の後の傷もしっかりとしていてほっと胸を撫で下ろしました。
この後、シェルターでストレスなく過ごしてもらうこと。
もうすでに前脚で立ち上がりトイレも使えています。
先生からは車椅子のご提案もあり試行錯誤中です。
交通事故でやはり同じ様に断脚した《かまえ》がいたのですが、
この子は逞しく前脚でどこでも駆け回っていました。
ただ、ナズナは心臓の病気なのでずっと薬を飲み続けなければならず、
あまり心臓に負担をかけたくないところです。
この様な経験をお持ちの方からアドバイスいただけると幸いです。
大手術にも関わらず、戻ってきたナズナの姿が悲壮さはなく
なんだか可愛らしくも見えてしまいました。
シュリンプ《ナズナ》の誕生です。
私なりにこの病気の要因を調べてみたところ、、、
この様な記述を見つけました
⬇️
心筋が薄くなってしまい、収縮する力が弱くなることで血液を送り出せなくなってしまう病気です。
伸びきって縮まなくなったゴムのようなイメージです。
心筋が薄くなることで心臓のお部屋が広がったように見えることから拡張型と呼ばれます。
猫の場合アミノ酸の一種であるタウリンの不足が原因の一つとされています。
かつての猫用のフードにはタウリンが十分に含まれていないものが多かったため、よく見られた病気でした。
原因が分かった今では、タウリンが十分に含まれているフードが多くなり、発症する猫は減りました。
ナズナをレスキューした案件