2022年秋 岩見沢多頭飼育崩壊 標識シリーズの猫たち②
『岩見沢市 標識シリーズの猫たち』
前回からの続きです。
8月に現地へ視察に行き、すぐに公益財団法人 どうぶつ基金さんの「多頭飼育崩壊救済チケット」を岩見沢市で申請してもらいレスキューへ。
春からの保護猫相談の繁忙期、そして沖縄県・福岡県からの猫の引き受けもあり2か月で120匹の猫が保護されていました。
10月某日
いよいよ、一斉保護する日が決まり「ツキネコ北海道」「振興局(保健所)」「岩見沢市役所」の三者による捕獲作業へ入ります。

準備を終えてツキネコから出発です。

ツキネコからは代表吉井、スタッフ滝澤、ボランティア2名が出向きました。
うち、学生のAちゃんは多頭飼育の研究をしていて撮影係として同行。
初めての多頭飼育現場となります。
捕獲前に、各担当者と流れをすり合わせ作業分担を決めます。

長靴にすれば良かった💦



自宅内であちこちに逃げ惑う猫を捕獲するには、猫の扱いに慣れていても容易じゃありません。
とにかく長きに渡る糞尿が堆積していることと、汚れて見るも無惨な段ボールハウスが大量にあり
猫達が隠れてしまい引き出すのが本当に大変でした。
蜘蛛の巣と大量の蝿と夥しい虫が、、、、






全頭捕獲し、すぐに手術対応病院である江別市のMobileVETOfficeへ。
一斉手術、検査、ワクチンをお願いしました。
翌日、全猫を引き取りにいったところ捕獲した成猫33匹中
32匹が猫エイズキャリアであることが判明
ほぼ、エイズキャリア・・・
全頭譲渡までの道のりが容易でないとここで腹をくくります。


現場に入る前に行政担当者が入った時点で子猫が2匹おり、保護(うせつとさせつ させつは治療の甲斐なく虹の橋へ)
前回視察時にコロコロと甘えて来ていた猫も既に捕獲済み。
残りの猫たちの捕獲作業へ入ります。
捕獲の様子は、YouTube動画へ
↓
ひとまず全頭をツキネコカフェのケアルームへ収容し、個体管理を行います。
子猫を含めて35匹の猫たち。
年齢も毛色も様々ですが、これまで多頭飼育レスキューをして多くの猫を見てきましたが他と違うのは1匹も「シャーッ」といいません。
数十匹の猫がいると一定数、人馴れしておらず人が苦手な猫がおり怖さから手が出る猫もいます。
それが、ここの猫たちにはありません。
逃げる様子は見られるものの、全員がある程度馴れいるように感じました。






その後、猫たちには標識や交通に関する名前を命名。
35匹のうちこれまでで 6匹が譲渡・トライアルへ
4匹が永年預かりへ。

ツキネコカフェは勿論ですが昨年取得した新施設《月虹山荘》の犬舎が役にたってくれました。
寒さが厳しくなる秋口までこの場所でお世話できたのは本当に助かりました。



とにかく殆どの猫が水下痢状態でトイレのお世話に本当に苦労したのです。
そのうち6匹はケアの甲斐なく残念ながら亡くなってしまいました…🥲
淘汰されて生き抜いてきた子達ですが、健康状態がすこぶる悪くやはり免疫力が恐ろしく低い様で
夕張多頭飼育崩壊案件の猫達とよく似ています。
無知な飼い主に長い間虐待とも言える生活を強いられてきた猫達ですが、
ただ
悲しいほど人が好きな子達なのです。。。





現在は改装を終えた素晴らしい環境の月虹山荘の施設内で、スタッフやボランティアさん達に
しっかりお世話、ケアされ過ごしています。
『罪を憎んで人を憎まず』心に決めてはいても
今回ばかりは飼い主への怒りを抑えることはできませんでした。
なぜなら、金銭的な負担さえ1円もなく当団体が全ての医療費を負担
飼い主は何のペナルティも無く新しい家で、新しい生活が待っているのですから😤
全頭譲渡までまだ時間はかかるであろう標識シリーズの猫たち
今更ながら適正飼育の啓蒙
が急務だと強く強く感じるのでした。
とにかく命を落とした子達の分まで幸せにしてあげたい。
1匹でも多くの子に家族を見つけてあげたいと思っています。

先日 大丸藤井セントラルさんの譲渡会に参加した
《かもしれない運転》
来場者の皆さんからも大人気でした。
ケアされてピカピカになってます。
*この度の猫たちは、公益財団法人どうぶつ基金の「さくらねこ無料不妊手術事業」に参加している「岩見沢市」と協働して多頭飼育救済を行いました。
どうぶつ基金が発行する「さくらねこTNR無料不妊手術チケット」を使用し、不妊手術費用、ワクチン、ノミダニ駆除薬についてはどうぶつ基金が負担しました。
毎月定額でのご支援ができます。
継続的なご支援をいただくことで安定的な保護活動が持続できます。