日々の活動報告

レスキュー案件

2023.02.16

2022年秋 岩見沢多頭飼育崩壊 標識シリーズの猫たち①

2022年8月にS総合振興局から依頼のあった多頭飼育案件の視察の為に現地へ赴きました。

当時、S総合振興局では複数の多頭案件を抱えており各愛護団体に依頼があったうちの一件です。

もう幾度となく繰り返されて来た光景

『虫だよな、、、』

8月

この時期だと懸念されるのは始末できない糞尿で発生する大量の蝿や蜘蛛。

家の佇まいからも安易に想像がつくのでした。

家の外にもたくさんのガラクタ(家主にしては大切な物)が堆積しており、

生活の様子が伺えしれます。

今回の飼い主は60代の男性

古い一軒家を長い期間借りていましたが、匂いなどの近所の苦情から退去を迫られていました。

代表の私も同じ様な世代なのでよくわかるのですが、頑固でプライドが高そうです。

多頭飼育崩壊現場に向かう私達の格好は驚くほど軽装です。

時々その様子に『衛生管理や感染症対策がなっていない』などのお叱りを受けることがあります。

勿論その心配はその通りなのですが…

実はこの様な現場では飼い主さんとの信頼関係を築かないと、こちらの態度次第で

『2度と来るな!!』と出入り禁止になる場合もあるのです。

過去に一番壮絶だった《豪邸猫レスキュー》では、管理センターの指導の元

頭から爪先まで完全防備のゴーグル付きで現場に向かうと、高齢の飼い主から怒号を浴びせられ

立ち向かってきたので、危うく階段から足を踏み外すところでした💦

後に漏れ聞こえて来た話では、認知症が出始めていた飼い主にとっては、私達の姿は

『悪魔がやって来た、、、』

だけに見えたそうです。

時には糞尿だらけで長靴で入りたいような現場でも、そこで生活している家族がいる限りは

ごく普通の格好で行く様に心がけています。

特に夏の場合完全防備だと熱くなりすぎて、自分の体調が悪くなることもあります。

適正飼育ができない飼い主に対しての怒りは一旦心の中にしまいこみ、

あくまであなたの手助けをしたいという姿勢を貫かなければなりません。

俳優の資質も必要?なのです。

この辺り今回関わっている振興局のSさんの対応は素晴らしく、飼い主に寄り添い根気よく

説得を続けてこられました。

その関係性を私達が壊すわけにはいきません。

家の中は思った通り、いやそれ以上の状態。

でも猫はなんだか可愛い。。。

おっとりしている様に見えます(これが捕獲の時に豹変したのには驚かされました)

ゴロンまでしてくれる猫が切ないです。

中長毛の猫が多い様で毛が酷い子も数匹いました。

これは口内炎などが酷くなり毛繕いができなくなっている状態です。

一刻も早く引き出ししなければ、、、、気持ちは焦ります。

飼い主は猫を全頭放棄するかと思っていましたが、何匹か連れて行きたいと言います。

『ぐぬぬぬ、、、、くぅ〜〜』😤😤😤

笑顔も引き攣ります。

この後、飼い主の説得とどうぶつ基金さんの多頭飼育チケット申請もあり

現場から猫を引き出すには2ヶ月かかることになりました。

この度の猫たちは、公益財団法人どうぶつ基金の「さくらねこ無料不妊手術事業」に参加している「岩見沢市」と協働して多頭飼育救済を行いました。
どうぶつ基金が発行する「さくらねこTNR無料不妊手術チケット」を使用し、不妊手術費用、ワクチン、ノミダニ駆除薬についてはどうぶつ基金が負担しました。