積丹へ。
それは感動的な光景でした。
サクラ耳にカットされた猫たちが一斉に、こちらを見つめています。
長い冬も乗り越えた猫たちが丸々と太り
生き抜いてくれていました。
野性味を帯びた目で見据えられ、この猫たちに関してはリリースしたことを後悔はしませんでした。
話には今年は子猫は産まれていないと聞いて安心してはいましたが、
この目で見たいと気になっていました。
ただ、昨年からの多頭飼育案件を抱え冬の間も多忙になり、なかなか積丹まで足を運ぶことはできませんでした。
昨年20匹ほどTNRしたこの地域の猫たちがどうなっているか知りたかったので、
今回これて本当に良かったです。
《どうぶつ基金》さんの
サクラ耳助成金のチケットも何枚か使わせていただきました。
ただ、札幌近郊では協力病院が少ないので正直
なかなか有効利用できていないのが現状です。
⚪︎捕獲した日に病院側が忙しい
⚪︎病院が遠くて連れて行くのが難しい
⚪︎有効期限が1ヶ月
などの理由で今までもたくさんのチケットを無効にしてしまいもったいなかったです。
TNRに関しては行政の助成か保健所やセンターにいる獣医師さんにぜひ、ご協力頂きたいものです。
先日、唯一リリースしなかった
《ニンジャ&シャコ》が一緒に卒業しました。
こちらもまさかの展開でした。
若い飼い主さんは、何度もニャイダーハウスに足を運んで、猫たちとの信頼関係を
縮めて最終的には普通に触れるようになったそうです。
譲渡が難しいと思われた2匹の猫を家族に迎え入れてくれました。
保護当初
とにかく威嚇が酷かったニンジャ。
この地域のボス猫《ニンジャ》
こんな山奥に野良猫とは思えない風貌。
あの風景の中では特に異質に見えました。
餌を与えて猫達を自家繁殖させてしまった
相談者さんも、
『誰かに捨てられた猫だと思う』と話していました。
未だに人里離れた山や墓地などに
捨て猫する人が後を絶ちません。
*動物愛護法が機能するどころか、
知らない人が多いことを物語っています。
血統種の血を引く長い毛のニンジャが、
山猿のように切り立った断崖を走り回っているのはなんとも不思議な光景だったのです。
《シャコ》はリリース予定でしたが、あまりの衰弱ぶりに手術ができないでいました。
長い毛はボロボロと剥がれ落ち、極寒の海辺での野良猫生活の過酷さを感じさせるにあまりありました。
サクラ耳にカットしたものの、すでに何ヶ月も経っていてすっかり情もわきリリースを断念したのです。
見事に我々には心を開いてくれませんでしたが….





朝早く片道約2時間かけて何度も往復したこの道。
仲間たちも積極的に参加してくれました。
そして何と言っても協力者は、積丹余別で
旅館業を営む《いい田》の女将さんでした。
この地域の野良猫のTNRや保護に身銭を切って尽力してくれたのです。
40匹以上のTNRと保護が済み一旦落ち着いたかに見えたこの地域ですが、
実はまだこの地域とは縁が切れそうにない案件が。。。
つづく。