ある画家が愛した猫と女性。
まだ寒さが厳しい2月のある日。
白い封筒と便箋に書かれていた内容は。。。
《ご主人に先立たれ残っている3匹の猫達。
持病があり面倒を見ることが難しくなってきたこと。
このまま自分が先に何かあれば猫達は
安楽死させるしかない》という苦悩に満ちた内容でした。
同情はするもののこのような相談が後を絶たず、全て引き受けることは私達にとってもとても難しいことなのです。
ちょうど年末の多頭飼育崩壊案件2件で70匹の猫で溢れかえっていたこともあり、
頭を抱えました。
取り敢えず電話でお話しさせて頂き、雪解けが来るまで待っていて欲しいとお願いしたのです。
頭の片隅からその猫たちのことは離れることはありませんでしたが、日々の業務
保護活動、イベントなど私が担う責任はどんどん大きくなり忙殺される日々。
でも約束を破ることだけは絶対に嫌だったのです。
そろそろ雪も溶け譲渡も進み子猫シーズンに突入する前どうにかしなければと
手紙を探したところ…
手紙がいくら探しても無いのです。
「どうしよう…」
どうにか連絡を取りたくても、個人情報を教えてくれるはずもなく焦る気持ちが
日増しに大きくなっていきました。
『もしこの方が何かあって猫が処分されていたら、、、』
色々考えあぐねた末に同じ〔北海Doぶつnet.〕の仲間でリアルドックフードのMさんに相談してみました。
ちょうど同じ地区に住んでご商売をしていたのです。
Mさんの独自のリサーチでなんとすぐ相手のお宅がわかり、しかもご家族で
様子を見に行ってくれたのです。
ご相談者は体力的に弱ってはいるものの、
しっかり生活されているとのことでひと安心。
一昨日、小樽の野良猫の繁殖地の視察の後にそのまま相談者の元へ向かいました。
やはりまだまだ完全室内飼いは地方では
徹底されていません。
キジトラのメスはまだ5才と若い猫なので、まずはこのコの里親探しをお手伝いすることにしました。
地元でも著名な方のようでした。
酸素吸入器がないと生活できないとのこと。
もう1匹15才の猫がいます。
環境の変化のストレスを考えると
今のままがいいと判断しました。
入院やなどで面倒みれなくなった場合に連絡がつくようにしました。
MさんとMaki。
仲間がいるのは心強いですね。
ケージに慣れていなく怒っています。
猫たちの安楽死も考えたという相談者さん。
私の目に留まった1枚の古い写真。
そこには美しい女性が佇んでいました。
それは彼女の若かりし頃の写真。
誰にでも
老いは容赦なくやってきて
病気になり死を迎えなければなりません。
【生 老 病 死】
この覚悟ができていない方が多いように思います。
自分が責任を持って終生飼育するということの大事さ。
特に
猫ブームと言われている昨今
可愛いだけで猫の習性もわからずに
無責任に飼ってしまう人達を懸念しています。
今回の相談者のさんは、自分なりに必死に猫のことを考えたからこそ
私達のNPOに繋がったのだと思います。
今後もこのような問題が山積していることでしょう。
自分たちがオピニオンリーダーとしてこのような問題の解決に向けて考えていきたいと思います。