10周年の陰で〜さんこちゃんのこと〜
記念すべき日、
ツキネコ10周年の9月19日。
さっぽろ東急百貨店で猫レクションのイベントも開催され笑顔の溢れるなか、
ひっそりと
散っていく命がありました….
さんこちゃん。
13〜16歳と言われツキネコへ入ってきた高齢の猫です。
https://ameblo.jp/tsukineko-hokkaido/entry-12622858590.html
人好きで、なつこいさんこちゃん。
体格は良いけれど痩せて、
骨ばった身体のさんこちゃん。

9月上旬にツキネコへ入居。
ツキネコカフェには、一泊だけしました。
ずぅっと一軒家のおうちの中で自由に過ごしていたさんこちゃんにケージは似合わなく、様子を見て即、
ケア部屋にフリーに。
他の猫もいるのであまり居心地が良くなさそうでした。
ずっと1匹で可愛がられてきたさんこちゃんは猫嫌いの様です。
スタッフが猫たちのケアの為、パタパタと出入りするドアの開閉するすぐ横で
少し不満げな表情で他の猫をじっとみながら、
いきなり知らない場所に連れてこられても
隠れもせず、物怖もせず、少し不満げな表情を見せるさんこちゃんは
高齢でしょぼんとした身体つきはありましたが、凛としていて目力のある、強さを感じさせる猫でした。
猫嫌いのさんこちゃん。
どうしても他の猫と同じ空間しか与えることのできないツキネコに居ては、ストレスになることは目に見えています。
「ツキネコにいるべき猫ではない、おうちでみてくれる預かりボランティアさんはいないだろうか…。」
(猫嫌いかつ高齢…
ともなると、
里親さんどころか預かり先を見つけるのも大変です????)
夏にツキネコカフェへ一度来店され、猫を預かりたいとおっしゃっていた男性のことを想いました。
お話しして、ずっと気にはなっていましたが、初めての預かりで慣れていない猫をお願いするのもなんだか申し訳なく、
連絡を取っていなかった男性Oさんです。
早速電話を掛けると
とても嬉しそうに、
「明日朝一番に行きます!」と言ってくださいました。
ーーー
翌日、
食べないかと思った置き餌を、3皿も食べたさんこちゃん。
Oさんとさんこちゃんはとても良い組み合わせに感じて、私も嬉しかったのを覚えています。
……
預かりして頂いて、
ちょうど2週間となるその日、
夕方、
Oさんからの電話。
帰宅するとさんこちゃんは
ひっそりと亡くなっていたそうです。
聞けば、最近では
さんこちゃんはご飯を食べても吐いて、ここ数日は台所の隅でじっとしていることが多かったそうです。
高齢猫のさんこちゃん。
「もしさんこちゃんの体調が悪くなって、見ているのが辛くなったらいつでも連絡をください。
本当に、短期間でも預かりをしてくださると私たちツキネコも猫も助かります。」
Oさんは、弱っていくさんこちゃんを最後までお家の猫としてみてくださいました。
Oさんはさんこちゃんの健康状態がどうしても気になる、と実費で健康診断に連れて行ってくださり、
預かりの日にストレスをかけると嫌だからと切らずに伸びたまま出発した爪も綺麗に切り揃えてくれました。
「もう少し長生きさせてやりたかった」と
申し訳なさそうに話すOさんとおばあちゃん。
さんこちゃんはおばあちゃんのお布団で一緒にねたり、
Oさんのお膝でぬくぬく甘えたり、
家猫を存分に満喫した様です。
2週間前ぶりに会ったさんこちゃんは預かりへ出発した時よりも毛艶が良くて、たくさん撫でてもらって愛情をかけてもらった事ががわかります。
わずか2週間?
いえ、2週間たっぷり
さんこちゃんはOさんの家の家猫として余生を過ごしたのでした。
数年前に猫を亡くされて、
「また猫と暮らしたい」とツキネコへ来てくださったOさん。
予想以上に短い期間での看取りとなり、
またひとつ辛い想いをさせてしまったのではと気掛かりでしたが、
「またお願いします」と言ってくださり、
力強いお言葉に、さんこちゃんをお願いして良かったと感じました。
Oさん、さんこちゃんをOさんの家の家猫としてみてくださり本当にありがとうございました。
少し心が癒えましたら、ぜひまたお願い致します。
さんこちゃんの様に高齢猫であったり、若い猫であってもハンデを抱えていたり、猫が嫌いだったり…。
様々な事情があり、
里親さんを探すのが難しい猫・ツキネコにいるのが大変なストレスになってしまう猫がいるのです。
ツキネコ北海道には
〈一時預かり〉
〈永年預かり〉
という制度があり