最後まで一緒に暮らすということ《チャメの場合》
『チャメの飼い主さん お亡くなりになったの…
吉井さん、チャメお願いできるかしら?』
電話の向こうから寂しそうな声が聞こえて来ました。
声の主は桜井内科医院の奥様でした。
以前にご相談を受けたことのある
《チャメ》
患者さんでもある高齢の飼い主さんが入院されて、行き先がなく先生のご自宅で面倒をみていられました。
ところが、当団体から引き取っていただいた先住猫《にゃんち》と折り合いが合わず。。。
致し方なくツキネコでお預かりしたことのある猫で、その後飼い主さんが退院されて戻すことができました。
奥様と主人の居なくなった家を訪ねると。。。
昨日まで生活されて居た息吹がそこかしこに感じられ、お会いしたことのない私でもなんだか切なくなりました。
最後まで闊達に暮らしていたそうです。
今回、自分の死期を感じ取り
いち早く先生に電話が入ったそうです。
居間の壁面の目立つところに
一番大きく桜井先生の名前と電話番号があり、ご家族や必要な連絡先がたくさん
貼ってありました。
一人暮らしの私も見習わなければ(-_-;)
静まり返ったお宅に猫の気配は全くありませんでした。
多分探しても無駄な気がしたので
捕獲器を仕掛けることにしました。
以前にお預かりした時も、環境の変化に馴染めずご飯を食べなくなったりと苦労した猫なので捕獲は難しいだろうと思っていました。
もしかしたら外に出ているかもしれないという懸念もありました。
階段の昇り降りは大変だったのか、粗相の後もありました。
黙っていても汗が噴き出すほど暑い日だったので一旦戻って、次の日の朝早く捕獲器のチェックに出向きました。
残念ながら捕獲器には入っておらず…
2階に上がってドアを開けると目が合いました





お互いに驚く





飼い主さんと違うと思った途端、脱兎のごとく逃げ回ります。
全く家具がない部屋なので隠れるところも無く追い込み作戦ができません。
しばらく捕獲を試みましたが、一人では無理と判断して、スタッフを改めて連れて出直しました。
こちらも必死
窓も開けられず汗だくです????????
警戒心が強く賢い三毛猫です。
お母さんがいなくなって不安もいっぱいだったでしょう。。。
雌なのに身体も大きく力があります。
我々も怪我をしない様に、猫のストレスもできるだけかけない様に捕まえるのは
意外と大変なことなんです。
現在、保護部屋にケージ隔離していますが
私が世話をしようとしたら恐ろしい形相で
威嚇して来ました。
覚えているんですね、、、



他のスタッフには威嚇しないとのこと
できればのんびり暮らせるお家を探してもあげたいです。
チャメに関しては桜井先生が費用を寄付してくださっています。
この様な飼育放棄の相談が山ほどあり、
飼い主に費用負担の話をすると
『テレビや新聞でいいことばっかり言っててお金取るのかい⁈
それでもボランティアなのか』
などと逆ギレされる始末
その殆どが高齢者です。
自分の飼い猫の責任を他人に押し付ける行為は、全くもって理解し難いです。
何かあった時に手を差し伸べてくれる
家族や仲間さえいれば、私たちの様な
活動も必要無くなるのです。
経済大国、先進国と言われる現代の日本ですが、孤立化した『人』が多くなり
なんだか寂しい国になってしまったと思う今日この頃なのです。
『あなたには頼れる誰かがいますか?』
どうしても今回の様なケースの場合
引き取りができないこともあります。
ツキネコ北海道も認定NPOを目指しつついずれはペット信託なども取り入れていこうと準備中です。
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